はなことばプラス哲学堂のブログ
“Life Focus”をかたちにする取り組み〜パン作りへの途〜(前編)
今回は、“Life Focus”の取り組みとして行った「パン作り」のご様子を、
前後編にわたりご紹介いたします。
ご主人との思い出でもあるパン作りをとおして、ご家族への感謝の気持ちを届けたい―。
そんなT様の想いから、この取り組みが始まりました。
この日、T様はPA(パーソナルアシスタント:ご入居者個別担当スタッフ)とご一緒に、
ホーム近隣のスーパーへ買い物に出かけました。
出発前から、T様は終始にこやかなご様子で、
「ずっと楽しみにしていたの。やっと今日を迎えられたわ」
とお話しくださいました。
ご主人がパンを作っていらした頃のご記憶が鮮やかによみがえり、
当時を懐かしく思われたそうです。
当日は、パン作りの本を手に売り場を回りながら、
「次はあっちね」「これよりも、こっちよね」
とPAと相談を重ね、一つひとつ商品を選んでいかれました。
普段はホーム内で歩行器を使用されているT様ですが、お買い物を進める中で、
「車椅子でなくてもいいわ。歩いてみます」
と、ご自身の足で歩くことを選ばれました。
買い物カートをシルバーカー代わりに、店内をしっかりとした足取りで進まれるご様子。
「初めて来られましたよね」
との問いかけに、
「もちろんよ」
と即座に応じられ、迷いのない動きで売り場を巡られていました。
そのお姿は、ご入居前の暮らしを思わせる、自然で安定したものでした。
また、セルフレジにもご興味を示され、
「セルフレジっていうのね」
と新しいことにも前向きに取り組まれます。
最後の袋詰めまで、ご自身の手で行われ、
終始いきいきとした表情をされていたのが印象的でした。
こうしてお買い物を終え、いよいよホームへ戻ってパン作りへ。