こんにちは。ホーム長の金子です。

ホーム開設からしばらく経ったある日のこと。

ある男性のご入居者が私の手をとり、真剣なまなざしでこうお話しくださいました。

「これから少子化が進み、高齢者が増えて、物価もどんどん高くなる。

若い人は自給自足ができるようにならないといけませんよ」

そのお言葉には、長い人生を歩んでこられた方ならではの重みと深さが宿り、深く私の胸に響きました。

後日、そのお話をご家族にお伝えしたところ

「父の夢は家庭菜園でした。仕事が忙しくて実現できなかったのが、心残りだったのかもしれませんね」

と、静かに語ってくださいました。

そこから始まった、私たちの菜園づくり。

どんな野菜を育てようか？どんな土がよいだろうか？

ご家族も一緒に相談しながら、ホームの４階テラスに小さな畑ができあがりました。 

きゅうり、トマト、ミニトマト、大葉、パセリ、万願寺とうがらし、茄子、唐辛子…

気づけば、立派な“家庭菜園”となり、今年で３年目を迎えました。 

ご入居者の笑顔とともに、収穫の喜びを分かち合えるこのひととき。

今年もまた、豊かな実りがありますように—。

そんな願いを込めて、お世話を続けています。